スペイン 風邪 と は。 人類と感染症6 スペイン風邪、サンフランシスコ市のマスク条例(Japan In

スペイン風邪とインフルエンザは名称が違うだけでワクチンや薬などの対処...

スペイン 風邪 と は

1918~19に大した。 20世紀最大の規模で,死亡者数では人類史における最大級の世界的流行()に数えられる。 原因ウイルスは,インフルエンザウイルス A型(H1N1亜型)であったことが判明している。 流行は 3に分かれて起こった。 第1波は第1次世界大戦中の 1918年3月初めにアメリカ合衆国カンザス州のファンストン基地から始まったとみられる。 4月にこの基地からヨーロッパ西部に到着したアメリカ軍兵士らがウイルスを運んだと考えられており,7月にはポーランドにまで広がった。 第1波のインフルエンザは比較的軽症であった。 しかし夏の間に致死性のより高いインフルエンザの存在が確認され,1918年8月にをふるい始めた。 この第2波では者は肺炎が急速に進行し,多くは発症から 2日後には死亡した。 第3波は続く冬に起こり,春には終結した。 第2波と第3波による死亡者の約半数は,インフルエンザで死亡にまでいたることはまれな 20~40代であった。 流行は世界中で起こり,まず港町で発生し,主要な運輸機関の経路に沿って町から町へと拡大した。 インドでは少なくとも 1250万人が死亡したとみられ,アメリカでは約 55万人が,日本では 39万人が死亡した。 全世界で 2500万人が亡くなり,その多くは第2波と第3波で命を奪われた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について の解説.

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スペイン風邪はなぜ終息したのか?世界最大のパンデミックを引き起こした強力なウイルスが地球上から姿を消した三つの理由

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パンデミックとは、感染症が世界的な規模で爆発的に広がることを指します。 パンデミックと聞いてまっ先に頭に浮かぶのが「スペイン風邪」です。 第1次世界大戦の末期、1918年から1919年にかけて欧米で猛威を振るいました。 スペイン風邪は世界史の教科書に必ず出てくる記述です。 長らく病原体が見つからず、ワクチンも有効な治療法もなかった時代で、いまだに謎の部分が多いとされています。 正確な犠牲者の数もはっきりとはしません。 推計で2000万人とも1億人が死亡したと言われてきました。 現在では5000万人前後が犠牲になったと考えられていますが、世界の人口が20億人の時代にこの数は驚くべきものです。 すでに発生から100年が経過しており具体的な体験者は存在せず、第一次世界大戦について書かれた書物は何万種類もあるのに、スペイン風邪について書かれた書物は数十冊しかないとされています。 スペイン風邪がこれほどまで拡大したのは、米国のウイルソン大統領の責任が大きいと言うのが通説です。 欧州での戦争遂行を妨げるものとして、病気の流行、危険性に関する専門家の警告や報道を一切禁止しました。 米国からヨーロッパに兵力を次々と送り込み、軍港と駐屯地、軍人を中心に感染が広がりました。 軍港から基地、そして都市部へと世界中に拡散していったとされています。 最初の症例はごく普通のインフルエンザとほとんど変わりはなかったそうです。 咳と熱、節々の痛みにとどまり、1918年の春ごろにかかった人は比較的早い時期に回復しました。 それが秋になると、ウイルスが突然変異しました。 最初はインフルエンザのように見えたものが、ウイルスの強毒化により肺炎を引き起こし、病院に運び込まれてから数時間で死亡するという例が広がっていったそうです。 発熱もないまま呼吸困難に陥り、そのまま突然死に至る症例が激増しました。 バスの運転手が運転中に死亡して大規模な交通事故死につながっていったともされています。 医者、看護師もバタバタと倒れました。 スペイン風邪と言いますが、スペインが発症の元凶でもなんでもなく、第一次世界大戦において中立国の立場だったスペインの通信社が、英国のロイター通信にあてて感染の第一報を伝えたことから「スペイン風邪」と呼ばれているだけです。 ウイルスの猛威は来た時と同じように、1918年11月になってあっという間に消えました。 理由は不明ですが、大戦とそれに伴う栄養不足もあって20~40歳代の被害が最も多く、宿主の大半がいなくなったことがウイルス退潮の理由と考えられています。 アメリカでは45万人が死亡しました。 イギリスは22万人、革命下のロシアも45万人、インドでは貧困と過密が重なって1200万人以上が命を落としたそうです。 のちの世の研究によって、スペイン風邪のウイルスは鳥インフルエンザの一種ではないかと見られています。 それが種を超えて人間に感染することで、急性呼吸器症候群に変異していった模様です。 一刻も早いワクチンの開発が待たれます。 うがい、手洗い、マスク、不要不急の外出をしない、基本的な部分で不正でゆくのが賢明です。 (スズカズ).

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ペスト、コレラ、スペイン風邪・・・人類はどう感染症の流行と向き合ってきたか

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新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に関する報道は、ときには怪しげで、ときには矛盾した統計で溢れている。 画面のなかを流れ、メールやツイートで拡散される数字のなかで最もやっかいなのは、致死率(CFR)、すなわち既知の感染者数に占める死亡者の割合だ。 パンデミックが始まったばかりのころ、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症「」の平均致死率を2パーセントと、その後それを3. 4パーセントに。 一方、多数の疫学者は、世界全体におけるCOVID-19の致死率は1パーセントほどだと主張している。 わずかな差に思えるかもしれない。 だが、この割合を大人数に当てはめると、全体の死亡者数はかなり違ってくる。 現在進行中のパンデミックの場合には、致死率の算出はと専門家もいる。 その理由とは検査数の不足に加えて、感染症の発症から死亡までの時間差によって、致死率の算出時に推定される感染者数や死亡者数に偏りが生じるからだ。 こうした専門家からの助言にもかかわらず、ニュースの報道やソーシャルメディア上の議論はCOVID-19の致死率に執着し、その数字を歴史上のほかの感染症の致死率と比較することに躍起になっている。 特に繰り返し論じられている主張は、COVID-19の致死率は最低でも2パーセントと驚くほど高く、1918年に世界的に大流行したインフルエンザの致死率に匹敵するというものだ。 俗に「スペイン風邪」と呼ばれるこのインフルエンザは、歴史上最悪のアウトブレイク(集団感染)のひとつを引き起こした。 だが実のところ、COVID-19とスペイン風邪の比較には重大な欠陥がある。 さらに、この比較の基になる数値は、ほぼ確実に間違っている。 全世界における感染者数とされる「5億人」(当時の世界総人口の約3分の1に相当する)、死亡者数とされる「5,000万〜1億人」、そして致死率と言われる「2. 5パーセント」だ。 だが、この3つのデータが矛盾なく成立することは、数学的には不可能である。 致死率とは、感染症のパンデミックが終息したあとに算出された全死亡者数を、全感染者数で割った数字だ。 各国・各都市の致死率も、全世界の平均致死率も、同じように算出される。 仮にスペイン風邪の全世界の感染者数が5億人で、死亡者数が5,000万〜1億人だったとすると、致死率は10〜20パーセントになる。 致死率が2. 5パーセントで感染者数が5億人だったとすると、死亡者数は1,250万人だ。 また、2. 5パーセントの致死率で5,000万人が死亡するには、少なくとも20億人が感染していなければならない。 だが、それでは1918年当時の世界総人口である18億人よりも感染者数のほうが多くなってしまう。 出典元で唐突に示されていた数字たち こうした矛盾を不思議に思い、これらの数字の出典元を調べてみた。 まず、スペイン風邪の正確な感染者数および死亡者数は、誰にもわからない。 このふたつの推定値は、概して時間の経過とともに増加し、研究者たちはいまだに議論を続けている。 1918年のパンデミックによる全世界での死亡者数に言及する際、大半の人が引用するのが『Emerging Infectious Diseases』誌に発表されただ。 同誌を刊行している米疾病管理予防センター(CDC)は、この論文をCDCのウェブサイトに目立つように。 グーグルで「Spanish flu fatality」(スペイン風邪 死者数)と検索すると、最初にヒットする論文もこれだ。 この論文は冒頭の段落で、あまりに広く引用されている3つの矛盾する数字を、なんの脈絡もなく挙げている。 スペイン風邪における感染者数は5億人、死亡者数は5,000万〜1億人、致死率は2. 5パーセントというあのデータだ。 つまり、地域によって致死率がある程度は異なることを示唆しているのかもしれない。 だが、この数値が全世界の感染者数および死亡者数と並べて掲載されているせいで、ほとんどの読者は致死率も全世界の平均だと解釈しているのだ。 5パーセント」の謎 論文の著者たちが致死率を2. 5パーセントとした経緯は不明だ。 この数値の参考文献として挙げられているふたつの出典も、この数字を裏付けるものではない。 ひとつは1980年に出版されただ。 同書はスペイン風邪の全世界の致死率を4パーセントとしているが、これは論文に書かれている致死率の約2倍である。 もうひとつは、医学ライターと医学を専門とする図書館員が執筆しただ。 この書籍では、スペイン風邪の原因となったインフルエンザウイルスの全世界における感染率は28パーセントで、2,200万人超の人々が死亡したとしている。 そこから計算できる全世界の致死率は、最低でも4. 3パーセントになる。 矛盾を明らかにすべく06年の論文の著者たちに連絡をとったところ、ひとりからは返答がなかった。 もうひとりは「あなたが言及している数字は、わたしたちの数字ではありません。 でも、ほかの科学者たちは広く引用しているデータです」と答えた。 そのうえで、「あなたが引用する数値が正確かどうかについては、何も意見はありません」と続けた。 そして、06年の論文で示した数値を導いた科学者たちに連絡してみてはどうかと言った。 残念ながら、致死率2. 5パーセントの出典と考えられるふたつの文献は40年以上も前に出版されており、著者たちは他界していた。 致死率として合理的な推定値 だが、公衆衛生の専門家であるニーアル・ジョンソンとは連絡がとれた。 彼は1918年のパンデミックの際のデータとしてしばしば引用される、死亡者数5,000万〜1億人という推定値を算出したの筆頭著者である。 そのジョンソンは、「実際の致死率は、よく言われる(2. 5パーセントの)数字よりも高いはずです」と断言した。 04年にを著した歴史家のジョン・バリーも、2. 5パーセントという数値はあまりにも低すぎるという見解に同意する。 スペイン風邪の致死率は、米国などの先進諸国では恐らく約2パーセントだったが、その他の地域ではそれよりはるかに高かっただろうというのが、彼の見解だ。 今年3月初めには、ジョンズ・ホプキンス大学の疫学者ジェニファー・リーも、『ロサンジェルス・タイムズ』でスペイン風邪の全世界の致死率は10パーセント近くだった可能性があると。 なお、スペイン風邪の感染者数を、1918年の世界総人口の25〜75パーセント、死亡者数を2,500万〜1億人と幅をとって考えることによって、全世界の致死率として妥当と思われる数値の幅を計算できる。 この幅で考えると、スペイン風邪による全世界の致死率として合理的な推定値は6〜8パーセントだ。 誤解のないように言うと、この数値はスペイン風邪の感染者のうち6〜8パーセントが死亡したことを意味する。 全世界の人口に対してスペイン風邪による死亡者数が占める比率、つまり(感染者と非感染者を合わせた)世界総人口に占めるスペイン風邪の死亡者の比率は、おおかた2〜4パーセントだろう。 この数字と、スペイン風邪による致死率を考えると、スペイン風邪を巡って広まっている統計上の混乱の一部は、ある程度は説明がつくかもしれない。 実体のない数字が拡散される すでに述べた通り、スペイン風邪の致死率が2. 5パーセントである場合、少なくとも5,000万人が死亡したという結果を導くことは、当時の世界総人口からすると数学的に不可能である。 それにもかかわらず、この実体のない統計値は広範囲に拡散し、ブログからTwitter、『』、最も権威ある医学誌にいたるまで、あらゆるところで言及されている。 この矛盾する数字は、医学誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』に2月末に掲載されたでも引用されている。 そこで同誌の編集者や統計コンサルタントに連絡をとり、統計値の間違いを指摘し、間違いが生じた原因と思われる事実について発見した内容を説明した。 数日後、同誌のメディアアンドコミュニケーション部長のジェニファー・ジズから回答があった。 「著者たちは異なる情報源を基にしており、情報源によって食い違う数値が出ていたのでしょう。 たとえその数値が矛盾するとしても、いずれの数値も出版されている情報源に基づいています」 もちろん、推定値はさまざまだ。 ここで問題にしているパンデミックは1世紀以上も前に発生したので、完全あるいは正確な記録と言えるようなものはない。 だからといって、非常に明白な数学的な矛盾の言い逃れをしたり、学者としての責任放棄を正当化したりすることはできない。 論文の間違いが、論文の信頼性を担保する査読という網をかいくぐり、見過ごされたなら、その間違いはただちに修正されるべきである。 論文の間違いが誤解やパニックをもたらす恐れがある場合は、なおさらだ。 スペイン風邪とCOVID-19は違う スペイン風邪はウイルスによる大惨事の代名詞になった。 そしていま、新型コロナウイルスのパンデミックと言えば、スペイン風邪の場合と同様だと思われている。 スペイン風邪と新型コロナウイルスを同じように捉える間違った見方は、公表されるべきではなかったまことしやかな統計値によるところが大きい。 スペイン風邪と同規模のパンデミックの再来は確かに起こりうることであり、むしろ避けがたいことでもあるだろう。 だが、COVID-19の致死率および感染力に関する3月半ばの時点での推定値、さらには公衆衛生政策に対するCOVID-19の反応が示唆するのは、相対的に見ると今回のパンデミックは1918年の惨状には匹敵しないということだ。 スペイン風邪によって当時の世界総人口の3パーセントが死亡して、それを現在の総人口に当てはめれば、2億3,000万人が亡くなることになる。 現在の危機と1918年のパンデミックを軽々に比較すべきではない理由は、ほかにも数多くある。 まず、医療に関するインフラと技術に歴然とした差があること。 そして、スペイン風邪は第一次世界大戦の惨禍と重なったこと。 また、若年層が亡くなるという、スペイン風邪特有の傾向があったこと。 さらに、1918年のインフルエンザの感染者のうち、最多ではないにせよ、かなりの人々が(大量生産できる抗生物質がまだ存在していなかったせいで)二次感染で亡くなったことである。 全世界の致死率は平均値にすぎず、いかなる流行病の致死率も年齢、人口、地勢によってかなり異なる。 例えば、スペイン風邪の流行時の致死率は、ある地域では1パーセント未満だったが、アラスカのある村では90パーセントだった。 とはいえ、表面的な比較を行えば、このふたつの感染症の間にある数多くの違いがさらに見過ごされてしまう。 いま生じうる現象の予測に、1世紀前のパンデミックに関する怪しげな統計を用いてはならない。 WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェススが3月3日、新型コロナウイルスによる全世界の致死率は3. 4パーセントだと発表したが、その内容は既知の死亡者数を既知の感染者数で割った結果にすぎず、適正な推定値や確定的な数値ではなかった。 これに対して、感染症の数理モデルを扱う数学者アダム・クチャルスキーと彼の同僚らは、中国におけるCOVID-19の致死率が実際には0. 3〜2. 4パーセントであるとの計算結果を3月に。 、COVID-19の全世界の致死率もクチャルスキーらが示した数値とと。 ただ、この種の推定値は時間の経過や検査数の増加によって変化し続けるものである。 広範な検査が実施されても、COVID-19の全世界の致死率は2パーセント以下にとどまると専門家もいる。 しかし、全世界における最終的な致死率は、現時点でのデータが示す値よりも高くなる可能性もある。 09年に発生したH1N1インフルエンザのパンデミックの際、流行初期に推定された致死率は、実際の値の。 一方、02〜04年に重症急性呼吸器症候群(SARS)のアウトブレイクが続いたとき、初期に推定された致死率は実際の値の。 変動する数字にしがみつくことの危うさ 新型コロナウイルスのパンデミックは重大な脅威であり、迅速かつ大胆な対応を要する。 致死率が0. 5〜1パーセントだとしても、人口が多く相互接続されているわたしたちの世界においては、極めて警戒すべき確率だ。 そして、もうひとつ考慮すべき重要な事柄がある。 それは、COVID-19が致命的ではなくとも、何週間も続く重症疾患を引き起こし、医療資源に過大な負担をかけたり、生涯にわたる健康問題を一部の人々にもたらしたりする恐れがあることだ。 世界中で新型コロナウイルスのアウトブレイクの拡大が抑制されなければ、特に高齢者や基礎疾患がある人々の間で膨大な数の感染者や死亡者が発生する事態を目の当たりにするだろう。 感染症の専門家は3月初め、新型コロナウイルスのパンデミックの規模が、世界中で100万〜400万人が死亡したと推定される1957年の鳥インフルエンザのパンデミックの規模に達する可能性があると。 だが、その可能性は生じうるひとつの過程にすぎない。 いま進行しているパンデミックの結果はひとつの統計値ではなく、感染者の脆弱性、公衆衛生介入の速度と規模、政府の透明性など、社会、経済、環境といったさまざまな要因によって形成されるはずだ。 数値や図表があると、それによって示される事実は確実だという安心感が生まれる。 しかし、危機が進行しているとき、こうした確信は誤解である場合があまりにも多い。 十年以上も前につくり出されたひとつの不正確な統計値が突然広まり、パニックや物資の無意味な買いだめを誘発し、その物資を最も必要とする人々から奪うことになりかねない。 専門家やジャーナリストが、いいかげんな研究から無批判に数値を抜き出し、変動する統計上の数字にしがみつき、そうしたデータを指針として軽率に示すなら、人々を啓発するのではなく混乱させる結果になるだろう。 window. wired. 画面のなかを流れ、メールやツイートで拡散される数字のなかで最もやっかいなのは、致死率(CFR)、すなわち既知の感染者数に占める死亡者の割合だ。 パンデミックが始まったばかりのころ、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症「 COVID-19」の平均致死率を2パーセントと、その後それを3. 4パーセントに。 一方、多数の疫学者は、世界全体におけるCOVID-19の致死率は1パーセントほどだと主張している。 わずかな差に思えるかもしれない。 だが、この割合を大人数に当てはめると、全体の死亡者数はかなり違ってくる。 現在進行中のパンデミックの場合には、致死率の算出はと専門家もいる。 その理由とは検査数の不足に加えて、感染症の発症から死亡までの時間差によって、致死率の算出時に推定される感染者数や死亡者数に偏りが生じるからだ。 こうした専門家からの助言にもかかわらず、ニュースの報道やソーシャルメディア上の議論はCOVID-19の致死率に執着し、その数字を歴史上のほかの感染症の致死率と比較することに躍起になっている。 特に繰り返し論じられている主張は、COVID-19の致死率は最低でも2パーセントと驚くほど高く、1918年に世界的に大流行したインフルエンザの致死率に匹敵するというものだ。 俗に「スペイン風邪」と呼ばれるこのインフルエンザは、歴史上最悪のアウトブレイク(集団感染)のひとつを引き起こした。 だが実のところ、COVID-19とスペイン風邪の比較には重大な欠陥がある。 さらに、この比較の基になる数値は、ほぼ確実に間違っている。 互いに矛盾する3つの数字 スペイン風邪に関して、新聞や科学誌がよく言及する3つの数字がある。 全世界における感染者数とされる「5億人」(当時の世界総人口の約3分の1に相当する)、死亡者数とされる「5,000万〜1億人」、そして致死率と言われる「2. 5パーセント」だ。 だが、この3つのデータが矛盾なく成立することは、数学的には不可能である。 致死率とは、感染症のパンデミックが終息したあとに算出された全死亡者数を、全感染者数で割った数字だ。 各国・各都市の致死率も、全世界の平均致死率も、同じように算出される。 仮にスペイン風邪の全世界の感染者数が5億人で、死亡者数が5,000万〜1億人だったとすると、致死率は10〜20パーセントになる。 致死率が2. 5パーセントで感染者数が5億人だったとすると、死亡者数は1,250万人だ。 また、2. 5パーセントの致死率で5,000万人が死亡するには、少なくとも20億人が感染していなければならない。 だが、それでは1918年当時の世界総人口である18億人よりも感染者数のほうが多くなってしまう。 出典元で唐突に示されていた数字たち こうした矛盾を不思議に思い、これらの数字の出典元を調べてみた。 まず、スペイン風邪の正確な感染者数および死亡者数は、誰にもわからない。 このふたつの推定値は、概して時間の経過とともに増加し、研究者たちはいまだに議論を続けている。 1918年のパンデミックによる全世界での死亡者数に言及する際、大半の人が引用するのが『Emerging Infectious Diseases』誌に発表されただ。 同誌を刊行している米疾病管理予防センター(CDC)は、この論文をCDCのウェブサイトに目立つように。 グーグルで「Spanish flu fatality」(スペイン風邪 死者数)と検索すると、最初にヒットする論文もこれだ。 この論文は冒頭の段落で、あまりに広く引用されている3つの矛盾する数字を、なんの脈絡もなく挙げている。 スペイン風邪における感染者数は5億人、死亡者数は5,000万〜1億人、致死率は2. 5パーセントというあのデータだ。 つまり、地域によって致死率がある程度は異なることを示唆しているのかもしれない。 だが、この数値が全世界の感染者数および死亡者数と並べて掲載されているせいで、ほとんどの読者は致死率も全世界の平均だと解釈しているのだ。 5パーセント」の謎 論文の著者たちが致死率を2. 5パーセントとした経緯は不明だ。 この数値の参考文献として挙げられているふたつの出典も、この数字を裏付けるものではない。 ひとつは1980年に出版されただ。 同書はスペイン風邪の全世界の致死率を4パーセントとしているが、これは論文に書かれている致死率の約2倍である。 もうひとつは、医学ライターと医学を専門とする図書館員が執筆しただ。 この書籍では、スペイン風邪の原因となったインフルエンザウイルスの全世界における感染率は28パーセントで、2,200万人超の人々が死亡したとしている。 そこから計算できる全世界の致死率は、最低でも4. 3パーセントになる。 矛盾を明らかにすべく06年の論文の著者たちに連絡をとったところ、ひとりからは返答がなかった。 もうひとりは「あなたが言及している数字は、わたしたちの数字ではありません。 でも、ほかの科学者たちは広く引用しているデータです」と答えた。 そのうえで、「あなたが引用する数値が正確かどうかについては、何も意見はありません」と続けた。 そして、06年の論文で示した数値を導いた科学者たちに連絡してみてはどうかと言った。 残念ながら、致死率2. 5パーセントの出典と考えられるふたつの文献は40年以上も前に出版されており、著者たちは他界していた。 致死率として合理的な推定値 だが、公衆衛生の専門家であるニーアル・ジョンソンとは連絡がとれた。 彼は1918年のパンデミックの際のデータとしてしばしば引用される、死亡者数5,000万〜1億人という推定値を算出したの筆頭著者である。 そのジョンソンは、「実際の致死率は、よく言われる(2. 5パーセントの)数字よりも高いはずです」と断言した。 04年にを著した歴史家のジョン・バリーも、2. 5パーセントという数値はあまりにも低すぎるという見解に同意する。 スペイン風邪の致死率は、米国などの先進諸国では恐らく約2パーセントだったが、その他の地域ではそれよりはるかに高かっただろうというのが、彼の見解だ。 今年3月初めには、ジョンズ・ホプキンス大学の疫学者ジェニファー・リーも、『ロサンジェルス・タイムズ』でスペイン風邪の全世界の致死率は10パーセント近くだった可能性があると。 なお、スペイン風邪の感染者数を、1918年の世界総人口の25〜75パーセント、死亡者数を2,500万〜1億人と幅をとって考えることによって、全世界の致死率として妥当と思われる数値の幅を計算できる。 この幅で考えると、スペイン風邪による全世界の致死率として合理的な推定値は6〜8パーセントだ。 誤解のないように言うと、この数値はスペイン風邪の感染者のうち6〜8パーセントが死亡したことを意味する。 全世界の人口に対してスペイン風邪による死亡者数が占める比率、つまり(感染者と非感染者を合わせた)世界総人口に占めるスペイン風邪の死亡者の比率は、おおかた2〜4パーセントだろう。 この数字と、スペイン風邪による致死率を考えると、スペイン風邪を巡って広まっている統計上の混乱の一部は、ある程度は説明がつくかもしれない。 実体のない数字が拡散される すでに述べた通り、スペイン風邪の致死率が2. 5パーセントである場合、少なくとも5,000万人が死亡したという結果を導くことは、当時の世界総人口からすると数学的に不可能である。 それにもかかわらず、この実体のない統計値は広範囲に拡散し、ブログからTwitter、『』、最も権威ある医学誌にいたるまで、あらゆるところで言及されている。 この矛盾する数字は、医学誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』に2月末に掲載されたでも引用されている。 そこで同誌の編集者や統計コンサルタントに連絡をとり、統計値の間違いを指摘し、間違いが生じた原因と思われる事実について発見した内容を説明した。 数日後、同誌のメディアアンドコミュニケーション部長のジェニファー・ジズから回答があった。 「著者たちは異なる情報源を基にしており、情報源によって食い違う数値が出ていたのでしょう。 たとえその数値が矛盾するとしても、いずれの数値も出版されている情報源に基づいています」 もちろん、推定値はさまざまだ。 ここで問題にしているパンデミックは1世紀以上も前に発生したので、完全あるいは正確な記録と言えるようなものはない。 だからといって、非常に明白な数学的な矛盾の言い逃れをしたり、学者としての責任放棄を正当化したりすることはできない。 論文の間違いが、論文の信頼性を担保する査読という網をかいくぐり、見過ごされたなら、その間違いはただちに修正されるべきである。 論文の間違いが誤解やパニックをもたらす恐れがある場合は、なおさらだ。 スペイン風邪とCOVID-19は違う スペイン風邪はウイルスによる大惨事の代名詞になった。 そしていま、新型コロナウイルスのパンデミックと言えば、スペイン風邪の場合と同様だと思われている。 スペイン風邪と新型コロナウイルスを同じように捉える間違った見方は、公表されるべきではなかったまことしやかな統計値によるところが大きい。 スペイン風邪と同規模のパンデミックの再来は確かに起こりうることであり、むしろ避けがたいことでもあるだろう。 だが、COVID-19の致死率および感染力に関する3月半ばの時点での推定値、さらには公衆衛生政策に対するCOVID-19の反応が示唆するのは、相対的に見ると今回のパンデミックは1918年の惨状には匹敵しないということだ。 スペイン風邪によって当時の世界総人口の3パーセントが死亡して、それを現在の総人口に当てはめれば、2億3,000万人が亡くなることになる。 現在の危機と1918年のパンデミックを軽々に比較すべきではない理由は、ほかにも数多くある。 まず、医療に関するインフラと技術に歴然とした差があること。 そして、スペイン風邪は第一次世界大戦の惨禍と重なったこと。 また、若年層が亡くなるという、スペイン風邪特有の傾向があったこと。 さらに、1918年のインフルエンザの感染者のうち、最多ではないにせよ、かなりの人々が(大量生産できる抗生物質がまだ存在していなかったせいで)二次感染で亡くなったことである。 全世界の致死率は平均値にすぎず、いかなる流行病の致死率も年齢、人口、地勢によってかなり異なる。 例えば、スペイン風邪の流行時の致死率は、ある地域では1パーセント未満だったが、アラスカのある村では90パーセントだった。 とはいえ、表面的な比較を行えば、このふたつの感染症の間にある数多くの違いがさらに見過ごされてしまう。 いま生じうる現象の予測に、1世紀前のパンデミックに関する怪しげな統計を用いてはならない。 WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェススが3月3日、新型コロナウイルスによる全世界の致死率は3. 4パーセントだと発表したが、その内容は既知の死亡者数を既知の感染者数で割った結果にすぎず、適正な推定値や確定的な数値ではなかった。 これに対して、感染症の数理モデルを扱う数学者アダム・クチャルスキーと彼の同僚らは、中国におけるCOVID-19の致死率が実際には0. 3〜2. 4パーセントであるとの計算結果を3月に。 、COVID-19の全世界の致死率もクチャルスキーらが示した数値とと。 ただ、この種の推定値は時間の経過や検査数の増加によって変化し続けるものである。 広範な検査が実施されても、COVID-19の全世界の致死率は2パーセント以下にとどまると専門家もいる。 しかし、全世界における最終的な致死率は、現時点でのデータが示す値よりも高くなる可能性もある。 09年に発生したH1N1インフルエンザのパンデミックの際、流行初期に推定された致死率は、実際の値の。 一方、02〜04年に重症急性呼吸器症候群(SARS)のアウトブレイクが続いたとき、初期に推定された致死率は実際の値の。 変動する数字にしがみつくことの危うさ 新型コロナウイルスのパンデミックは重大な脅威であり、迅速かつ大胆な対応を要する。 致死率が0. 5〜1パーセントだとしても、人口が多く相互接続されているわたしたちの世界においては、極めて警戒すべき確率だ。 そして、もうひとつ考慮すべき重要な事柄がある。 それは、COVID-19が致命的ではなくとも、何週間も続く重症疾患を引き起こし、医療資源に過大な負担をかけたり、生涯にわたる健康問題を一部の人々にもたらしたりする恐れがあることだ。 世界中で新型コロナウイルスのアウトブレイクの拡大が抑制されなければ、特に高齢者や基礎疾患がある人々の間で膨大な数の感染者や死亡者が発生する事態を目の当たりにするだろう。 感染症の専門家は3月初め、新型コロナウイルスのパンデミックの規模が、世界中で100万〜400万人が死亡したと推定される1957年の鳥インフルエンザのパンデミックの規模に達する可能性があると。 だが、その可能性は生じうるひとつの過程にすぎない。 いま進行しているパンデミックの結果はひとつの統計値ではなく、感染者の脆弱性、公衆衛生介入の速度と規模、政府の透明性など、社会、経済、環境といったさまざまな要因によって形成されるはずだ。 数値や図表があると、それによって示される事実は確実だという安心感が生まれる。 しかし、危機が進行しているとき、こうした確信は誤解である場合があまりにも多い。 十年以上も前につくり出されたひとつの不正確な統計値が突然広まり、パニックや物資の無意味な買いだめを誘発し、その物資を最も必要とする人々から奪うことになりかねない。 専門家やジャーナリストが、いいかげんな研究から無批判に数値を抜き出し、変動する統計上の数字にしがみつき、そうしたデータを指針として軽率に示すなら、人々を啓発するのではなく混乱させる結果になるだろう。 【重要】新型コロナは、あなたが何歳であろうと感染する。 そして現在進行中のパンデミックにおける比較には、単なる数字の間違いでは済まない危険が潜んでいる。 ",type:o,slug:p,link:i,pubDate:"2020-05-03 11:00:37",pubDateFormatted:"2020.

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