パーキンソン 病 運転。 パーキンソン病と睡眠障害…不眠と昼の眠気への対策法 [不眠・睡眠障害] All About

パーキンソン病

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パーキンソン病患者さんの多くが、睡眠の問題に悩んでいます 日本では、約11万人の方が患っている「」。 50~65歳に発症することが多く、患者さんは年をとるにしたがって増える傾向にあります。 パーキンソン病は、神経難病の1つ。 症状を和らげる薬や手術はありますが、根本的な治療法はまだ研究中です。 有名人では、永六輔さんやマサ斎藤さん、マイケル・J・フォックスさん、ボクシングのモハメド・アリさんが知られています。 パーキンソン病の発症メカニズムと特徴的な運動症状 パーキンソン病とは、脳の奥にある「黒質」という部分の神経細胞が減り、神経同士をつなぐ物質の「ドーパミン」が少なくなるために起こる病気です。 ドーパミン神経は運動をコントロールしているため、パーキンソン病になると4大症状といわれる特徴的な運動症状が出現します。 安静時振戦:手足がふるえる• 無動・寡動:体が思い通りに動かなくなる• 筋固縮・筋強剛:筋肉が硬くなる• 姿勢反射障害:体のバランスが悪くなる 自律神経障害や睡眠障害も? パーキンソン病の非運動症状 パーキンソン病では、運動の障害の他にも色々な症状がみられます。 これらは「非運動性症状」と呼ばれます。 たとえば、意欲の低下や認知機能の障害、幻視、幻覚、妄想、嗅覚の低下、痛み、しびれ、浮腫(むくみ)、自律神経障害、「睡眠障害」などです。 自律神経障害には便秘や頻尿、発汗異常、起立性低血圧があります。 睡眠障害は、非運動症状の中で最もよく見られるものの1つで、患者さんの約8割が悩んでいる症状です。 パーキンソン病患者さんの睡眠障害を放っておくと、その後の生活の質(QOL)が悪くなってしまいます。 そのため、睡眠障害にはきちんと対応しなければなりません。 また、患者さんが睡眠障害を起こすと、介護する家族などにも大きな負担がかかります。 介護者にとっても睡眠障害は、見過ごせない問題なのです。 睡眠障害には「不眠症」「日中の強い眠気」「レム睡眠行動障害」「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」などがあります。 睡眠障害の原因や症状、対処法について以下で詳しく解説します。 夜中や早朝に目覚めてしまう…「不眠症」の原因はさまざま 不眠症には4つのタイプがあります。 寝つきが悪い「入眠障害」、夜中に目覚める「中途覚醒」、朝早くに目覚めてしまう「早朝覚醒」、十分に眠った気がしない「熟睡障害」です。 パーキンソン病の患者さんの場合、健康な人と比べて入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒が増えます。 特に、中途覚醒の頻度は健常者の3. 2倍、早朝覚醒は2. 1倍にもなります。 パーキンソン病の患者さんは体が硬く、睡眠中も思うように動けません。 うまく寝返りができないので、体の違和感が強くなり目が覚めてしまうのです。 また、神経や筋肉が過敏になっているため、こむら返りがよく起こります。 悪夢を見ることも多く、これも不眠の原因になります。 さらに、トイレが近いため、夜中に何度も起きなければなりません。 不眠症の対策の基本は、生活習慣の見直しと寝室の環境の整備です。 パーキンソン病の患者さんは、体を動かすことが苦手なので、運動量が不足したり日光に当たる量が少なくなったりします。 体や脳が疲れなければ夜は眠くなりませんから、日中はなるべく屋外で体を動かすようにしましょう。 不眠症に対して病院で行われる治療は、主にパーキンソン病治療薬の調整や睡眠薬の処方です。 また、うつ病が原因で眠れないときは抗うつ薬、頻尿で不眠が起こっているときは抗コリン薬などが処方されます。 不眠の影響も? 「日中の強い眠気」の原因と治療薬 また、パーキンソン病患者さんの15~50%が、日中の強い眠気に悩まされています。 特に男性や病気の経過が長い人、パーキンソン病が重症な人、ドーパミン作動薬の総量が多い人は、日中の眠気が強くなる傾向があります。 いきなり眠ってしまう「突発性睡眠」も問題です。 これはパーキンソン患者さんの約6%に見られます。 車の運転中などの起こると大きな事故になりかねないため、注意が必要です。 不眠症のため夜に良く眠れず、その結果として日中に強い眠気が起こる場合は、夜にグッスリ眠れるよう、睡眠薬が処方されます。 また、パーキンソン病の治療薬の副作用として、眠気が強くなることもあります。 そんな時は主治医と相談して、薬を減らしたり別の薬に変えてもらったりしましょう。 どうしても日中の眠気が取れずに困るときは、神経刺激薬のモダフィニル(一般名:モディオダール)やカフェインが処方されることもあります。 パーキンソン病の15~60%に合併する「レム睡眠行動障害」 また、睡眠には2つの種類があります。 体の眠りの「レム睡眠」と、脳の眠りである「ノンレム睡眠」です。 夢は主にレム睡眠中に見ます。 夢の中と同じように現実でも体が動くと危ないので、レム睡眠中には脳と筋肉をつなぐ神経がブロックされています。 ところが、この神経のブロックがうまくいかず、夢の通りに体が動く病気が「」です。 レム睡眠行動障害は、パーキンソン病の患者さんの15~60%に合併しています。 レム睡眠行動障害では、手足を大きく動かしたり、立ち上がって歩き回ったりします。 そのため、寝床の周りや寝室に危険なものを置かないようにしましょう。 ベッドパートナーも、別の部屋で眠った方が良いこともあります。 レム睡眠行動障害を持つパーキンソン病患者さんでは、起立性低血圧や色覚を見分ける機能の障害、ドパミン作動薬の効きにくさ、認知症の発症のしやすさなどが見られます。 健康保険での適応は認められていませんが、レム睡眠行動障害の患者さんには、抗てんかん薬の1つであるクロナゼパムや漢方薬の抑肝散がよく効きます。 レム睡眠行動障害で困っている方は、主治医や睡眠専門医に相談してみてください。 脚の不快感…パーキンソン病に合併する「むずむず脚症候群」 「」という、変わった名前の病気があります。 「レストレスレッグス症候群」、あるいは「下肢静止不能症候群」とも呼ばれています。 夜になると強くなる脚の不快感のため、どうしても脚を動かしたくなる睡眠障害の1つです。 パーキンソン病にむずむず脚症候群が合併する頻度は、研究によりまちまちです。 最も多いものでは、パーキンソン病患者さんの約半数に起こるとしています。 パーキンソン病になってからの期間が長い人や症状が強い人、抗パーキンソン病薬の投薬期間が長い、認知機能に障害がある人、ウェアリング・オフが多い人などがかかりやすくなります。 むずむず脚症候群の原因は、ドーパミン神経の働きがうまくいかないことだと考えられています。 そのため、治療にはパーキンソン病と同じくドーパミン作動薬である「ビ・シフロール(一般名:プラミペキソール)」や、「ニュープロ(一般名:ロチゴチン)」などが主に使われます。 場合によっては、違う働きをする「レグナイト(一般名:ガバペンチン エナカルビル)」が処方されることもあります。 多くのパーキンソン病の患者さんが、睡眠の問題を抱えています。 睡眠障害の原因を突き止め、自分でできることをやってもうまくいかないときは、早めに主治医や睡眠専門医にご相談ください。 グッスリ眠ることで患者さん自身はもちろんですが、介護にたずさわっている人も生き生きと暮らせるようになります。

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パーキンソン病の症状 パーキンソン病では、主に、手足がふるえる(振戦)、動きが遅くなる(無動)、筋肉が硬くなる(固縮)、体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)、といった症状がみられます。 これらによって、顔の表情の乏しさ、小声、小書字、屈曲姿勢、小股・突進歩行など、いわゆるパーキンソン症状といわれる運動症状が生じます。 また、パーキンソン病では、運動症状以外にも、便秘や頻尿などの自律神経の症状、不眠などの睡眠障害、うつ症状などの精神症状、認知機能障害などがみられることがわかっています。 これらを非運動症状と呼びます。 うつ症状は患者さんの約半数にその傾向があるといわれていて、患者さん自身や家族の方も気づかないことの多い症状です。 認知症は病気が進行すると約2割の方にみられます。 非運動症状は、患者さんやご家族と医師との間に、意志の疎通がよくとれていて、はじめて気づかれる症状です。 気になることがあれば、気軽に主治医の先生に相談してください。 症状の種類や程度、経過は患者さんによって異なります。 また個々の症状に応じて対策がありますので、まずは神経内科医の診察をきちんと受けることをお勧めします。

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パーキンソン病治療薬

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「パーキンソン病」とはどのような病気ですか 振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害(転びやすいこと)を主な運動症状とする病気で、50歳以上で起こる病気です。 時々は40歳以下で起こる方もあり、若年性パーキンソン病と呼んでいます。 この病気の患者さんはどのくらいいるのですか 10万人に100人~150人くらいです(1000人に1人~1. 5人)。 60歳以上では100人に約1人(10万人に1000人)で、高齢者では多くなりますので、人口の高齢化に伴い患者さんは増加しています。 この病気はどのような人に多いのですか 嗜眠性脳炎などの後遺症として起こった記録もありますが、ほとんどの方では特別な原因はありません。 4.この病気の原因はわかっているのですか 大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こります。 ドパミン神経が減ると体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなります。 この病気は遺伝するのですか 遺伝はしませんが、若く発症される方の一部では家族内に同じ病気の方がおられ、遺伝子が確認されています。 この病気ではどのような症状がおきますか。 ふるえ(振戦)、筋強剛(筋固縮)、動作緩慢、姿勢保持障害が主な運動症状です。 ふるえは静止時の振戦で、椅子に座って手を膝に置いている時や歩いているときに、手に起こります。 動かすとふるえは小さくなります。 筋強剛は自分ではあまり感じませんが、他人が手や足、頭部を動かすと感じる抵抗を指しています。 動作緩慢は動きが遅くなることで、同時に細かい動作がしにくくなります。 最初の一歩が踏み出しにくくなる「すくみ」が起こることもあります。 姿勢保持障害はバランスが悪くなり転倒しやすくなることです。 姿勢保持障害は病気が始まって数年してから起こります。 最初から起こることは無く、病気が始まって2年以内に姿勢保持障害が起こるときには、進行性核上性麻痺などの の可能性があります。 運動症状のほかには、便秘や頻尿、発汗、(疲れやすいこと)、嗅覚の低下、 (立ちくらみ)、気分が晴れない(うつ)、興味が薄れたり意欲が低下する(アパシー)などの症状も起こることがあり、非運動症状と呼んでいます。 この病気にはどのような治療法がありますか 治療の基本は薬物療法です。 ドパミン神経細胞が減少するため少なくなったドパミンを補います。 ドパミン自体を飲んでも脳へは移行しないため、ドパミン前駆物質のL-dopaを服用します。 L-dopaは腸から吸収され を通って脳内へ移行し、ドパミン神経細胞に取り込まれてドパミンとなります。 その後シナプス小胞にとりこまれ、運動調節のために放出されドパミン受容体に作用します。 ドパミン受容体刺激薬はドパミン神経細胞を介さずに、直接ドパミン受容体に作用し、少なくなったドパミンを補う作用があります。 ドパミン神経以外の作用薬には、アセチルコリン受容体に作用する抗コリン薬、グルタミン酸受容体に作用するアマンタジン、アデノシン受容体に作用するイストラデフィリン、シグマ受容体に作用するゾニサミドがあります。 また、L-dopaの作用を強める代謝 があります。 L-dopaが腸、肝臓、血管内でドパミンに変わるのを防ぐドパ脱炭酸 阻害薬 DCI (カルビドパ、ベンゼラジド)、同様にL-dopaが脳に入る前に分解されるのを防ぐカテコラミン-O-メチル基転移酵素阻害薬 COMT-I (エンタカポン)、脳内でドパミンが分解されるのを防ぐモノアミン酸化酵素阻害薬 MAO-I (セレギリン)があります。 いずれもドパミンの作用を強めるように働きます。 DCI,COMT-IはL-dopaとの合剤もあります。 手術療法は脳内に電極を入れて視床下核を刺激する方法が最もよく行われます。 視床下核は運動を抑制していると考えられ、ここを刺激して視床下核の機能を麻痺させると運動の抑制がとれて体が動きやすくなります。 薬で治療しても振戦の強い方やウェアリングオフという、薬の効果が持続しない方で効果が期待されます。 体を動かすことは体力を高め、パーキンソン病の治療になります。 激しい運動ではなく、散歩やストレッチなど、毎日運動を続け体力を高めることは重要です。 また、気持ちを明るく保つことも重要です。 気分が落ち込むと姿勢も前かがみとなり、動作も遅くなります。 私たちが意欲を持って行動する時は脳内でドパミン神経が働いていると考えられています。 日常生活の過ごし方も大事な治療ですので、是非工夫してください。 <図の説明> ドパミンの原料はチロシンです。 チロシンはチロシン水酸化酵素(TH)の働きでDOPAに、DOPAはドパ脱炭酸酵素(DDC)の働きでドパミンになります。 ドパミンは中脳の黒質にあるドパミンを作る細胞で作られ、突起を通り線条体まで運ばれ、ここで突起の先端に貯蔵されます。 ドパミンは必要に応じて突起の先端から分泌され、線条体の細胞にあるドパミン受容体に結合して情報を伝えます。 仕事を終えたドパミンはドパミンを作る細胞の突起の先端に取り込まれて再利用されるとともに、MAOあるいはCOMTと呼ばれる酵素によって分解されます。 線条体ではドパミンのほかにアセチルコリンという があって、両者はバランスをとっています。 パーキンソン病ではドパミンが減少するため、相対的にアセチルコリンの機能が過剰になります。 これが抗コリン薬を治療に使う理由です。 パーキンソン病が進行すると、ノルエピネフリンも不足します。 薬物療法 1)L-dopa(レボドパ) 最も強力なパーキンソン病治療薬です。 1970年代のこの薬の登場は、パーキンソン病の治療に画期的な進歩をもたらしました。 それまで発症後5年で寝たきりだったのが、10年経っても歩けるようになりました。 ところがレボドパの服薬期間が長くなると、さまざまな問題が起こります。 最大の問題は薬効の変動です。 レボドパの作用時間は短いため、内服すると動けるようになりますが、2時間もすると効果が切れて急に動けなくなります。 これを英語で擦り切れるという意味のウェアリングオフ(wearing-off)現象と呼びます。 効果が切れて動けなくなるのを恐れてレボドパを過剰に服薬すると、今度は身体が勝手に動くレボドパ誘発性の (ジスキネジア)が出現します。 パーキンソン病の脳内で不足するのはドパミンです。 脳内のドパミンを補充すれば元のように動けるようになりますが、ドパミンを服薬しても血液中から脳内に入りません。 そこでドパミンの前駆体であるDOPAを薬として服用します。 DOPAにはL型とR型がありますが、このうちL型だけが脳内に入るので、L-dopa(レボドパ)が使われます。 しかし消化管や血液中にはDOPAをドパミンにするドパ脱炭酸酵素(DDC)が豊富にあるため、レボドパだけ服薬する とDDCにより分解されてしまいます。 そこで1980年以降わが国ではレボドパと末梢性DDC阻害薬との合剤(商品名:イーシードパール、マドパー、ネオドパゾール、メネシット、ネオトパストンなど)が一般的に用いられています。 なお、レボドパは血液中のCOMTという酵素によっても分解されます。 そこで末梢性COMT阻害薬であるエンタカポン(商品名:コムタン)を同時に服薬することも行われています。 レボドパとDDC阻害薬とCOMT阻害薬の合剤(商品名:スタレボ)も使われます。 2)ドパミンアゴニスト レボドパの副作用を克服するために開発されたのが、作用時間の長いドパミン受容体刺激薬(アゴニスト)です。 我が国では現在8種類のドパミンアゴニストが使用可能です。 ドパミンアゴニストは長くのみ続けても、薬効の変動( )や ジスキネジア が生じにくいことがわかっています。 しかしレボドパより効くのに時間がかかり、また吐き気や ・ などの副作用に注意が必要です。 薬効の変動やジスキネジアの起きやすい若年の症例は、なるべくドパミンアゴニストで治療を開始した方が良いでしょう。 一方高齢の方は、最初からレボドパで治療開始して良いでしょう。 効果は確実ですし、高齢者では薬効の変動(ウェアリングオフ現象)やジスキネジアが起きにくいと言われています。 8種類のドパミンアゴニストはそれぞれ特徴があるので、使い分けが必要です。 詳しくは専門の先生と相談してください。 また、ペルゴリド(商品名:ペルマックス)やカベルゴリン(商品名:カバサール)で心臓弁膜症や肺線維症が起きることがあります。 そこで、これらの薬を使用するときは心エコー検査等で定期的に心臓の弁をチェックすることになっています。 一方、プラミペキソール(商品名:ビ・シフロール、ミラペックス)やロピニロール(商品名:レキップ)、貼付薬のロチゴチン(商品名:ニュープロパッチ)、自己注射薬のアポモルヒネ(商品名:アポカイン)では、運転中に突然入眠して事故を起こす「突発的睡眠」が起こることがあるため、服薬中は運転しないよう警告が出されています。 3)抗コリン薬 パーキンソン病の治療薬として最初に使われた薬です。 トリヘキシフェニジール(商品名:アーテン)が有名です。 パーキンソン病ではドパミンの減少に伴って、もうひとつの神経伝達物質であるアセチルコリンが相対的に過剰になります。 その作用を減らす目的で使われます。 なお、認知症の原因となるアルツハイマー病では、最初に脳内のアセチルコリンが減少します。 したがって高齢者が抗コリン薬をのむと、物忘れや幻覚・妄想などアルツハイマー病に似た症状が出ることがあるので、70歳以上では原則として使わないようにします。 4)塩酸アマンタジン 塩酸アマンタジン(商品名:シンメトレル)は元々抗ウイルス薬として開発され、A型インフルエンザの治療薬としても使われています。 線条体でのドパミン放出を促す働きがあるほか、ジスキネジアを抑制する効果が知られています。 ただし全ての患者さんに有効なわけではなく、また副作用として幻覚や妄想が出やすいので注意が必要です。 特に腎機能低下のある方では用量を減らす必要があります。 5)ゾニサミド この薬は、既にてんかんの治療薬として使われていましたが、2009年にパーキンソン病に使うことが認められました。 パーキンソン病に使う薬は商品名トレリーフで、1錠が25mgで、2錠まで使います。 一方、てんかん予防に使うのは商品名がエクセグランで、1錠100mgです。 間違えないようにしましょう。 どうしてパーキンソン症状を改善するのか、その理由は完全には解明されていません。 レボドパとの併用で使う薬で、ウエアリングオフや振戦の残る時に特に有効です。 作用時間は長いので、1日1回の服薬で十分です。 6)アデノシン受容体拮抗薬 日本で開発された新しい薬(イストラデフィリン:商品名ノウリアスト)で、ウェアリングオフを改善します。 ウェアリングオフを軽くする作用がありL-dopaと併用します。 ウェアリングオフの改善以外の作用については、まだ充分に解っていません。 7)MAO-B阻害薬 MAO-B阻害薬である塩酸セレギリン(商品名:エフピー)はMAOの活性を低下させてドパミンの分解を抑制します。 これによりレボドパの効果は延長しますが、ジスキネジアは悪化することがあります。 MAO-B阻害薬はノルエピネフリンやセロトニンなど他の神経伝達物資の分解も抑制するので、服薬すると意欲が出て気分が明るくなる傾向があります。 その一方で、幻覚・妄想や夜間不眠、血圧などに注意が必要です。 作用時間は非常に長いので、1日1回(朝)か2回(朝と昼)の服薬で十分です。 8)カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)阻害薬 吸収されたレボドパは血液に入り、血液脳関門を通って脳に入ります。 血液の中にはドパ脱炭酸酵素(DDC)やCOMTという酵素があり、レボドパを分解します。 現在使われているレボドパ製剤の多くは、レボドパと末梢性DDC阻害薬の合剤です。 このため、レボドパはCOMTによって分解されます。 末梢性COMT阻害薬のエンタカポン(商品名:コムタン)はそれを防いでレボドパが脳内にたくさん入るようにする薬です。 コムタンの効果は短いので、毎回レボドパと同時に服薬する必要があります。 9)ドロキシドパ 長期間経過したパーキンソン病で問題になる症状のひとつに、「足のすくみ」があります。 これにはもう一つの神経伝達物質であるノルエピネフリンの関与が示唆されています。 前駆体であるドロキシドパ(商品名:ドプス)はそれを補うために使われます。 ただし全ての患者さんに有効なわけではありません。 このほか意欲低下や立ちくらみを改善する効果が知られています。 ドロキシドパは日本で開発された薬で、欧米では立ちくらみの治療薬として承認されています。 パーキンソン病では、一般に複数の薬を組み合わせて治療しています。 薬によって、服薬のタイミングが異なりますので、その理由をよく理解して服薬することが大切です。 また、パーキンソン病の治療薬以外の薬を併用するときには、飲み合わせに注意することも大切です。 服薬する全ての薬を、主治医や薬剤師に確認してもらってください。 手術療法 パーキンソンの手術療法の歴史は長く、定位脳手術が開発されたのは1947年のことです。 定位脳手術とは、頭蓋骨に固定したフレームと脳深部の目標点の位置関係を三次元化して、外から見ることのできない脳内の目標点に正確に到達する技術です。 頭蓋骨に開けた小さな穴から針を刺すだけなので、手術侵襲は軽くて済みます。 1950年代から60年代にかけて、この手術はさかんに行われました。 当時はCTスキャンもMRIも無い時代で手術の危険性は高かったのですが、有効な薬が誕生する前だったため、手術を希望する人がたくさんいました。 1970年に特効薬のレボドパが出現すると、手術を受ける人は激減しました。 しかし、レボドパ治療の長期の問題点に対して、1980年代後半から再び定位脳手術が見直されています。 定位脳手術には、熱を加えて目標点を破壊する従来の方法(凝固術)のほか、脳深部刺激治療(DBS:deep brain stimulation)があります。 DBSは脳深部に電極を留置し、前胸部に植え込んだ刺激装置で高頻度刺激する治療法です。 高頻度刺激すると、神経細胞は活動を休み、そこを破壊したのと同じ効果が得られます。 我が国では2000年4月から が認められました。 DBSは脳を破壊しないので手術合併症が少ないかわり、異物が体内に残るため感染や断線のリスクがあります。 パーキンソン病の定位脳手術は特殊な技術を要するため、限られた病院でのみ実施されています。 手術療法も、病気の原因を根本的に治す根治療法ではなく、症状を改善する対症療法です。 手術は服薬と比べてリスクを伴いますので、現在の病状や予想される結果を主治医と十分相談してから受けることが大切です。 この病気はどういう経過をたどるのですか 治療薬が研究開発され、現在のパーキンソン病の平均寿命は全体の平均とほとんど変わらないと考えられています。 転倒による骨折や他の病気をしないことはパーキンソン病の経過にとても大事です。 誤飲して肺炎を起こしたり便秘して腸閉塞を起こすこともあります。 食事は楽しんで、よくかんでゆっくり食べましょう。 排便調節に注意を払い週に2回以上は排便があるように体調を保ちましょう。 この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか 運動、睡眠、食事、薬が基本です。 運動は健康維持に必須です。 はげしい運動ではなく散歩やストレッチをお勧めします。 散歩は1日8000歩を目安にできるとよいと思いますが、自分の体調に合わせて計画してください。 ストレッチは姿勢の維持に役立ちます。 前かがみや斜め横になる姿勢が起こりやすくなります。 自分ではまっすぐと感じる姿勢が、実際には斜めになっていることが少なくありませんので、できるだけ鏡を見て姿勢を良くしましょう。 自分では大丈夫と思っていても転倒が起こりやすいので、躓くようなものは片付け早めに手すりを付けます。 小さな楽しみを作って、毎日を工夫して過ごしましょう。 私たちは年を取ると病気が増えます。 病気は大変ですが、病気をしても楽しんで若い方に生き方の手本を示しましょう。 この病気に関する資料・関連リンク 日本神経学会:.

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